GitHub Universe 2024より最新のプレビューとリリースをお届けします

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ようこそ、あなたの「フロー状態」へ。

今年はGitHub Universeの10周年を迎えましたが、変わらぬテーマがあります。それは、開発者と開発者体験を重視することです。10年間で、GitHubはプルリクエストの発明から、世界で最も広く利用されているAIコーディングツール「GitHub Copilot」の構築まで、開発者体験を進化させてきました。

現在、私たちのプラットフォームは1億人以上の開発者に利用されており、この強力なコミュニティと生成AIの力により、全ての開発者が迅速にソフトウェアを構築、リリース、スケール、そしてセキュアなソフトウェアにすることができるようになっています。

内容は多岐にわたります。開発者の皆さんを待たせてはいけませんね。さっそく始めましょう。

プラットフォーム全体にわたるAIネイティブな体験

タスクに最適なモデルを選択:開発者の選択肢の力

GitHub Copilotに新たな選択肢を提供します。AnthropicのClaude 3.5 Sonnet、GoogleのGemini 1.5 Pro、そしてOpenAIのo1-previewとo1-miniが登場です。これらの新しいモデルは段階的に展開され、まずはGitHub Copilot Chatから開始します。現在、OpenAIのo1-previewとo1-miniが利用可能で、Claude 3.5 Sonnetは今後1週間にわたって順次提供予定、GoogleのGemini 1.5 Proは数週間後に提供予定です。GitHub Copilot Workspaceからマルチファイル編集、コードレビュー、セキュリティ自動修正、CLIまで、GitHub Copilotの多くの機能や領域でマルチモデルの選択が可能になります。
VS CodeやGitHub.com上でも、個々の開発者は自分に最適なモデルを選択でき、組織や企業はチームで使用するモデルを自由に管理できます。ぜひ、マルチモデル対応のGitHub Copilotをお試しください

AIネイティブ = GitHub Copilot Workspace + Code Review + Copilot Autofix 

コードレビュー、Copilot Autofixを組み合わせることで、GitHub Copilot Workspaceのプルリクエスト内でのコード提案を素早く洗練し、確認・統合することが可能です。GitHub Copilotによるコードレビュー、Copilot Autofix、そしてサードパーティのGitHub Copilot拡張機能からの提案を活用し、プルリクエストをより早く「マージ可能」な状態に整えられます。

GitHub Copilot WorkspaceとCode Reviewsについて詳しくはこちら

GitHub Copilo Workspaceのプルリクエストのスクリーンショット。Copilotが認証エラーを修正するコードを提案して開発者を支援する様子を示す。左側には、プルリクエスト内のファイルのリストがあり、右側は、開発者とCopilotの会話で、Copilotがコード内の構文エラーを特定し、自然言語による説明とともにその修正を提案していることを示しています。中央のパネルには、失敗したビルドとTypescriptコードが表示され、Copilotが提案したコードが挿入されています。画面上部には、「Review and commit(レビューとコミット)」と書かれた緑色のボタンと、合計3つの提案を示すボタンがあります。

10億人の開発者に向けた「Spark」の第一歩

発想の始まりはいつもアイデアからです。子供の頃には数多くのアイデアが思い浮かび、その多くは面白く、時にはとんでもないアイデアもありました。そんなアイデアを実現する新しいプロダクト「GitHub Spark」をご紹介します。GitHub Sparkは自然言語で操作でき、楽しい、個人的なソフトウェアを簡単に作成できます。企業の生産性向上アプリではありません。リアルタイムでの履歴管理やプレビュー、直接のコード編集が可能で、思い描いた小さなアイデアを形にしていけるツールです。さあ、試してみてください。

GitHub Sparkのテクニカルプレビューについてはこちら

GitHub Nextによる実験的アプリケーション、GitHub Sparkの携帯電話でのスクリーンショット。このアプリケーションを使えば、自然言語のプロンプトでソフトウェアを作ることができます。アプリケーションの上部には、「What do you want to create?」というテキストボックス、「Generate variants?」というチェックボックス、「GPT-4o」が選択されたドロップダウンリストがある。その下には、「Carter Boys Allowance Tracker」、「Find my City」、「Spark News」、「Tic-Tac-Taco」と題された最近のスパークのリストがあります。

11月27日渋谷にて、GitHub Universe’24 の内容を日本語で振り返るイベントを開催します!最新の発表内容について直接知る機会をお見逃しなく。ぜひご参加ください!
詳しくはこちら

GitHub Copilotを活用した開発者向けプラットフォーム – 生産性の向上

私たちの勢いは止まりません。GitHub Copilotでは、生産性を高めるためのさまざまな改善が発表されました。これにより、ソフトウェアの構築、リリース、スケール、セキュリティ強化がさらに加速されます。さあ、創造力を解き放ちましょう。

開発体験の質の向上

これらのアップデートにより、開発ワークフローはより洗練され、マルチモデルの選択や、より優れたコード補完、GitHub Copilot Chatでのエージェント選択が可能になります。また、C++や.NETのサポートが強化され、XcodeやWindows Terminalでの対応も拡大しました。

  • マルチモデルの選択とOpenAIのo1モデルへのアクセス: AIモデル間をシームレスに切り替え、APIの説明からアルゴリズムの設計、ロジックバグの解析まで、より柔軟に活用できます。GitHub Copilot ChatやGitHub Modelsでo1-previewやo1-miniモデルが利用可能です。
  • カスタム指示の指定: VS CodeやVisual StudioにおけるGitHub Copilot Chatの応答を、使用ツールや組織内の知識、コーディングの慣習に基づいてカスタマイズできます。
  • コード補完とチャット品質の向上: 文脈に応じたパフォーマンスが向上し、GitHub Copilot Chatを利用した新たなデバッグ体験のプレビューも始まっています。
  • GitHub Copilot Chatからエージェントを選択: VS CodeのGitHub GitHub Copilot Chatから@workspace, @githubやインストールされた拡張機能を呼びだし、より柔軟な応答を得られます。
  • C++ と.NETのサポート改善: Visual Studio でのC++コード補完の品質が向上、Visual Studio でのC++ と .NETのプロジェクト固有のプロパティのパフォーマンスが向上しました。
  • GitHub Copilot for Xcode: GitHub Copilotのコード補完がXcodeで利用できるようになりました。macOS と iOS アプリ開発者にご活用いただけます。
  • Windows ターミナルでのGitHub Copilotの利用: Windows ターミナルからGitHub Copilotと直接チャットでやり取りできます。

IDEでの生産性向上

GitHub Copilotでは、さまざまなIDEでの生産性向上を目指した複数のアップデートが導入されました。@githubスキルの追加、エラー説明、コード支援機能の向上などが盛り込まれています。

  • GitHub Copilot Chatでのスキルと検索機能の向上: GitHub Copilot Chatを使用して、コミット、Issue、プルリクエスト、リポジトリ、リリースの検索が直接VS Codeから行えます。
  • Visual StudioでのC++およびC#エラーの説明と修正: C++とC#のエラー内容を理解し、修正方法を提示するための支援機能がVisual Studioに追加されました。
  • C++およびC#のQuick Info: Visual StudioでC++やC#のシンボルにマウスを合わせるだけで、Copilotによる詳細情報がQuick Infoダイアログに表示されます。
  • コード参照の向上: 公開コードの一致を簡単に確認でき、ファイルの場所やライセンス情報も含めて表示されます。
  • GitHub Copilot ChatでのBing統合: VS CodeやVisual StudioのCopilot Chatから直接Bingを使って検索できるようになり、 IndividualおよびBusinessプランに対応しています。
  • .NET テストデバッグ: Visual Studioでシームレスに.NETコードテストのデバッグが可能です。

GitHub Copilot Extentionsによるワークフローの簡素化

個人開発者がワークフローを効率化したり、組織が独自ツールを統合する場合も、GitHub Copilot Extentionsが支援します。これにより、GitHub Marketplaceで作成した拡張機能を共有することもできます。

  • GitHub Copilot Extensions: GitHub Copilotの拡張機能として、サードパーティアプリケーションや社内システムにアクセスするための拡張機能が利用可能です。
  • GitHub Copilot ExtensionsをGitHub Mobileアプリで利用: モバイルからでもCopilot Chatを通じて拡張機能にアクセスでき、外出先でもワークフローをサポートします。
  • Azure向けGitHub Copilot: Azureサービスのデプロイと管理、アプリケーションテンプレートの検索やデプロイ、アプリケーション問題の診断とトラブルシューティングが行えます。

 

GitHub ModelsGitHub Modelsで生成AIアプリケーションを簡単に構築

GitHub Modelsは、OpenAI、Cohere、Microsoft、MistralなどのAIモデルの利用、比較、実験、構築を簡単にします。本日より、開発者やAIエンジニアはGitHub Modelsの新機能にアクセスできるようになりました。これには、モデルを並べて比較できる機能、マルチモーダルモデルのサポート、プロンプトやパラメータの保存と共有機能、GitHub Codespacesでの新しいクックブックとSDKのサポートなどが含まれます。

 

GitHub Copilotの製品紹介ページはこちら

より安全な開発体験:脆弱性の検知は、修正されることを意味します

セキュリティは開発者にとっての障害であってはなりません。そのため、GitHub Copilot Autofixを通じて、セキュリティを開発プロセスに組み込みました。目標はシンプルです:検知された脆弱性は迅速に修正されること。

IDEから本番環境までセキュアなコードを

開発者がセキュリティの最前線に立つことが多いため、初めから最後までセキュアなコードを書くことを支援するために、GitHub Copilot Autofixによる脆弱性の解消ツールを導入し、ワークフローやコード全体でさらに広範囲にわたって対応しています。

  • CodeQLカバレッジ向上: JavaScript、TypeScript、Java、Python、Ruby、C#、C/C++、Goのアラートタイプの90%以上をカバーするCopilot生成の修正を提供し、セキュリティ負債や過去のCodeQLアラートに対処します。プルリクエストでのカバレッジも拡大し、JavaScript、TypeScript、Pythonに対応しました。
  • Copilot シークレットスキャン: 一般的なパスワードをAIで検出するシークレットスキャン機能を通じて、公開されると危険な非構造化の認証情報もより正確に検出します。現在、35万以上のリポジトリでパスワード検出が有効になっています。
  • 新しいパートナーとの統合: お好きなコードスキャンツールとのネイティブな統合をサポートし、ESLint、JFrog SAST、Black DuckのPolaris™プラットフォーム(Coverity®搭載)などでのCopilot Autofixの利用が可能です。
  • Dependabot用のCopilot Autofix: メジャーバージョンの依存関係更新も自然言語で説明とコード提案が提供され、シームレスにアップデートが行えます。

 

GitHub Advanced Securityの新機能について詳しくはこちら

エンタープライズ対応で開発者も快適に

より多くのアクションランナーや強化されたプロジェクト管理ツールなど、反復作業の速度を高めると同時に、すべてのステップでコンプライアンスを確保するための投資を行っています。

ガバナンスとコンプライアンス管理の強化

管理者にとってガバナンスとコンプライアンスの維持は重要です。そのため、ユーザー管理、リポジトリポリシー、セキュリティワークフローの管理により多くのコントロールを提供する新機能を導入しました。これは、ガバナンスをスケールさせるためのものです。管理者が安心すれば、開発者も安心して作業できます。

  • EMUs(Enterprise Managed Users)への独自IDプロバイダの導入:より柔軟なユーザーライフサイクル管理のために、SSOとSCIMプロバイダーを個別に選択できるようにしました。
  • 特定の変更を含むコミットの制限:アクションワークフローなどの重要なファイルの更新を制限し、不要なオブジェクトがリポジトリに含まれないようにするため、プッシュルールセットを使用してコードの健全性を保ちます。
  • エンタープライズリポジトリのポリシー:エンタープライズや組織全体でリポジトリのライフサイクルを管理するため、きめ細やかなガバナンスが可能になりました。
  • エンタープライズカスタムリポジトリプロパティ:組織全体でカスタムリポジトリプロパティを作成・管理し、既存の組織プロパティをエンタープライズに昇格させることができます。
  • GitHub Actionsのイミュータブル化:GitHub Packagesにセマンティックバージョニング付きで保存された、変更不可能なアクションでサプライチェーンを保護します。
  • カスタム組織ロールの作成:すべてのリポジトリで組織レベルでのリポジトリ権限とロールを設定できるようにしました。
  • 組織向けのGitHubアプリ:組織全体でインストールできる、エンタープライズ所有の内部公開GitHubアプリケーションを作成します。
  • PATと細分化PATの有効期間ポリシー:エンタープライズリソースにアクセスするパーソナルアクセストークン(PAT)の最大有効期間を設定できます。
  • 新しいGitHub Enterprise Trust Center:プライバシー、セキュリティ、データ保護などエンタープライズに重要なトピックを一箇所で確認できるTrust Centerを提供します。

ワークフローにおける計算リソースとインサイトの向上

どのような作業でも計算パワーは重要であり、パフォーマンスやAPIインサイトも同様です。そのため、Arm64パワーのランナー、新しいGitHubアプリ、ワークフローやCI/CDパイプライン全体でのパフォーマンストラッキングの強化を導入しました。

  • Arm64 GitHubホステッドランナー:GitHub Freeプランで提供されるArm64 GitHubホステッドランナーを利用して、ビルド、テスト、デプロイを一元化し、CI/CDワークフローを統合することで、計算コストの最適化が可能です。この機能は2025年初頭に広くリリース予定です。
  • GitHub Actionsのパフォーマンス指標:GitHub Actionsのワークフローとジョブのパフォーマンスを監視・最適化し、無駄を排除しましょう。
  • APIインサイト:APIアクティビティの監視に役立つインサイトを提供するダッシュボードを通じて、GitHub統合のAPIレート制限を調査し、解決します。
GitHub Enterpriseについて詳しくはこちら

新しいマルチモデル対応のAIネイティブな開発者体験が、今日から始まります

GitHubを使って開発を続けていただき、ありがとうございます。私たちは、開発者の皆様がより良い体験を得られるよう努めており、共に未来を築いていきます。初めてのプルリクエストから始まり、今では世界で最も広く採用されているGitHub Copilot搭載の開発者プラットフォームへと進化したGitHubは、これまで以上にソフトウェアの構築、拡張、セキュリティ強化を迅速に行えるようになり、さらに柔軟性と選択肢も充実しました。新しいAIネイティブな開発者体験が、今日からスタートします。
GitHub Universeへ、10周年おめでとう🎉。そして、開発者コミュニティの皆様、心から感謝❤️しています。また来年のカンファレンスで多くの皆様にお会いできることを楽しみにしています。

Let’s build from here—together.

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