GitHub celebrates developers with disabilities on Global Accessibility Awareness Day

GitHub、Global Accessibility Awareness Dayで障がいをもつ開発者を称える

Image of Ed Summers

開発者のためのホームであるGitHubは、今回のGlobal Accessibility Awareness Dayにあたり、障がいをもつ開発者の功績を称えると共に、彼らの開発を支援する機能改善を公開しました。


開発者ファーストを掲げているGitHubは、開発者の幸福度と生産性の向上をサポートしたいと考えています。Global Accessibility Awareness Dayである5月18日を記念して、障がいをもつ開発者の功績を称え、その素晴らしいストーリーを紹介します。また、人生で最高の仕事ができるよう彼らを支援するGitHubの、直近のアクセシビリティ機能改善についてもご案内します。

障がいをもつ開発者の声を届ける

障がいをもつ人々は、教育や雇用を含む生活のあらゆる場面で、ほかの人と同等に参加しようとすると、それを妨げる偏見に頻繁に遭遇します。そこで、GitHubとThe ReadME Projectは、障がいをもつ開発者が自身の貢献を紹介することで、偏見に対抗するためのプラットフォームを提供することにしました。

Paul Chiouさんは、首から下が麻痺している開発者です。博士号の取得を目指す傍ら、アクセシビリティオートメーション分野で新境地を開拓しています。Paulさんは、自らが設計、構築したカスタムハードウェアとソフトウェアを搭載したコンピューターを使用し、実際の使用体験から、他の障がい者のニーズについて独自の洞察を得ています。Paulさんが遭遇する障壁は、日常生活と学業の両面においてイノベーションの糧になっています。Paulさんと彼の創造的なソリューションについて、詳しくはこちらの特集記事とビデオプロフィールをご覧ください。

ゲームを通じてコーディングの道に進んだBecky Tylerさんは、目だけでゲームをプレイし、絵画制作、ライブ配信、コード作成も行っています。Minecraftをプレイしたいという思いからオープンソースソフトウェアとコラボレーションの道に進み、現在、英ダンディー大学でコンピューターサイエンスを学んでいます。Beckyさんについて、詳しくはこちらの特集記事とビデオプロフィールをご覧ください。

Annalu Waller博士は、ダンディー大学で拡大代替コミュニケーション研究グループを率いています。彼女はBeckyさんの教授でもあります。Beckyさんは彼女のことを「taskmaster (親方)」と呼んでいますが、Annaluさんの人生プロフィールを見ると、彼女の実体験が学生、特に障がいをもつ学生への高い期待につながり、イノベーションを取り入れて障がいがある人たちに役立てるという、彼女ならではの能力を生み出していることがわかります。

Anton Mirhorodchenkoさんは、話したり手でタイピングしたりすることが困難です。また、英語を第二言語としています。Antonさんは、ChatGPTとGitHub Copilotを、コミュニケーションやアイデアの表現に使う方法だけでなく、初期アーキテクチャからコード作成までソフトウェア開発全体に活かす方法を模索してきました。AIチームの仲間との創造的なコラボレーションを通じて、Antonさんは欠かせない存在となりました。彼は最近、このガイドでソフトウェア開発に生成系AIの力を活用する方法について、その洞察を共有しています。

障がいをもつ開発者を阻む障壁を取り除く

成功にはスキルが必要です。だからこそ、教育を平等に受けられることが基本的人権に含まれています。GitHub Global Campusチームも同意見で、障がいをもつ未来の開発者を阻む可能性のある障壁を体系的に発見し排除することに取り組んでいます。

npmは、よく使われているnode.js JavaScriptランタイム環境でデフォルトのパッケージマネージャーであり、世界最大のソフトウェアレジストリです。すべての開発者がこの素晴らしいリソースに貢献し、その恩恵を受けられるようにするため、npmチームは先日アクセシビリティバグバッシュを実施し、何百もの潜在的な障壁を取り除きました。npmチームの皆さん、お疲れさまでした!

GitHub.comチームもアクセシビリティに力を入れており、最近、機能改善をいくつか公開しました。

優れたアクセシビリティ機能の起点となるものが、設計です。また、障がいをもつユーザーのニーズと支援技術を深く理解する必要があります。GitHubの設計部門は、長年にわたりアクセシビリティ機能に力を入れてきました。このブログ記事では、GitHubの開発プロセスにおけるアクセシビリティ文化の構築とアクセシビリティのシフトレフトを探っています。

テクノロジーの未来について考えるとき、私は開発者の生産性を高め、ソフトウェア開発の障壁を取り除くAIペアプログラマーのGitHub Copilotが思い浮かびます。GitHub Copilotチームは最近、キーボードのみを使用するユーザーやスクリーンリーダーユーザー向けのアクセシビリティ機能を改善しました。

GitHub Copilotを支えているチームであるGitHub Nextは、現在テクニカルプレビュー中のGitHub Copilot Voiceも発表しました。GitHub Copilot Voiceは、声だけを使う完全ハンズフリーのコーディングを可能にしています。手でタイピングすることが難しい開発者にとって、これは大きなメリットです。このイノベーションの恩恵を受けることができる方は、ぜひテクニカルプレビューにご登録ください。

コミュニティへの恩返し

GitHubは、すべての開発者がGitHubでビルドできるようにするため、日頃GitHubに貢献してくれている、様々なアクセシビリティコミュニティに定期的に恩返しをするようにしています。たとえば、Primerのアクセシビリティ機能の改善はすべて、コミュニティで直接利用できます。

GitHubのアクセシビリティチームには、私を含め複数の障がいをもつ社員が所属しています。GitHubでは、コミュニケーションやコラボレーションに使うプロセスのアクセシビリティと包括性の改善に継続的に取り組んでいます。最近の例としては、レトロスペクティブに使用するプロセスが挙げられます。前回のレトロスペクティブが終わったとき、視覚障がい者である私は、これまで参加した中で最も包括的でアクセスしやすいレトロスペクティブだったことに気付きました。この観察から、私たちの学びが他のチームの役に立つよう、包括的なレトロスペクティブに使用しているプロセスを共有することにしました。

さらに広い目で見ると、GitHubの社員は私たちが関心を寄せている活動にたびたび貢献しています。先日行われたソーシャルギビングイベントの際、私は社員にSeeing Eyeへの支援を呼びかけました。Seeing Eyeは、視覚障がい者である私の人生に絶大な影響を与えた団体だからです。私たちの目標は、5,000ドルを集めてSeeing Eyeの子犬に名前を付け、サポートすることでした。この子犬は、やがて目の見えない人に自立と自信を与えることになります。驚いたことに同僚たちは15,000ドル以上寄付してくれました!そこで、3匹の子犬に名前を付けることにしました。そのうちの1匹がこちらのOctoです!

Octoという名のジャーマンシェパードが「The Seeing Eye Puppy Raising Program」と書かれた緑のスカーフを巻いて、草の上に座っている。Octoは、後ろに黒いフェンスと赤い小屋がある裏庭で、背筋を伸ばして座っている。

// 写真提供:Seeing Eye

今後の展望

GitHubのCEOであるThomas Dohmkeは、「GitHubは開発者が幸せになることで成功する」とよく言っています。私はそこに、「GitHubのアクセシビリティプログラムは、障がいをもつ開発者が幸せになることで成功する」と付け加えたいと思います。GitHubの成功は、彼らの貢献によって測られます。GitHubの責務は、彼らの進む道から障壁を取り除き、彼らの功績を称えることです。私たちはこれまでの進歩に満足していますが、これはまだ準備段階に過ぎません。これからも素晴らしいニュースをお伝えしていきます!それまでの間、accessibility.github.comでGitHubのアクセシビリティプログラムの詳細をご覧ください。