Octoverse 2019年次レポート

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今年も「4,000万人の開発者が365日間で出来ることは何か?」と問いかける時期がやってきました。先日、GitHubはOctoverse(オクトバース)年次レポートを発表いたしました。世界のソフトウェアはグローバルコミュニティによって構築されており、このコミュニティは拡大と進化を続け、相互の結びつきがますます緊密になっていることを紹介しています。今年は、開発者同士の連携方法が急速に変化する可能性が明らかになりました。また、世界中の開発者が手掛けた仕事を見つけ、それをベースにすることが容易になりつつあることから、ソフトウェア開発がますます「コミュニティで取り組むもの」へと進化しいます。さらに、上位オープンソースプロジェクトの中には、何千というコントリビュータがいるだけでなく、何百万というリポジトリに依存しているものもあります。

365日間の功績を讃えるため、この1年間でGitHub上で構築されてきたコードとコミュニティを振り返っていきましょう。

こちらから、このレポート詳細をご覧くください。ハイライトすべき点については、以下をご覧ください。

世界中の4,000万人以上がGitHub上で連携して構築

これまで以上に多くの人があらゆる場所から連携していることが、さまざまな指標で示されています。4,000万人を超える開発者がGitHub上で構築しており、その多く(80%)が米国以外からのアクセスです。この1年間だけで1,000万人もの開発者が新たに参加し、そのうち、2019年に最初のリポジトリを作成した開発者が、2018年より44%増加したことが分かりました。また、130万人がオープンソースに対する最初のコントリビューションを行っていました。さらに、南極大陸など新たな場所からコントリビューションがあったことも確認されました。

組織は時差を超えてコラボレーションし、オープンソースソフトウェアに依存

GitHub上には現在約300万のOrganizationアカウントが世界各地に存在しており、企業、非営利団体、オープンソースプロジェクトなどが共同で作業していることを表しています。さらに掘り下げると、GitHub Enterprise Cloudアカウントだけでも、70以上の国々で登録されています。また、この1年間で、Global Fortune 50にランクインしている企業のうち35社が、オープンソースに対するコントリビューションを行いました。ここから、プロプライエタリコードがどれほどオープンソースコミュニティに依存しているかを垣間見ることができます。

ソフトウェアコミュニティにかつてないほど深いつながり

この1年間で、4,400万件以上のリポジトリが作成されました。また、医学における機械学習ディープラーニングに関する学術論文から、あらゆる形や大きさのロボットまで、わずか12か月の間に素晴らしい取り組みが新たにオープンソース化されています。さらに、オープンソースプロジェクトの共有インフラがあらゆるソフトウェアを結びつけていること、そして、依存グラフ以上に私たちが深くつながっている場所がないことも明らかになりました。

GitHub上のパブリックリポジトリとプライベートリポジトリは、平均で1つのリポジトリが200を超えるパッケージに依存しています。各プロジェクトの背後には何百という依存関係があり、コードにかつてないほどの依存関係が存在しています。また、オープンソースプロジェクトのうち、依存関係にあるリポジトリ数の上位50件を見ると、これらのプロジェクトはこの1年間で、360万件を超える他のリポジトリをサポートしていたことがわかりました。たとえば、rails/railsfacebook/jestaxios/axiosなどのプロジェクトが世界中のコードに不可欠な存在となっています。

760万件以上の脆弱性アラートにメンテナー、開発者、研究者らが対応

ソフトウェアと同様に、セキュリティもコミュニティで取り組むものになっています。潜在的な脆弱性が見つかった場合、メンテナ、開発者、研究者、およびツールのエコシステムが連携して、すべてのユーザのコードを保護しています。2017年11月にセキュリティアラートの提供が開始されて以降、このコミュニティでは700万件以上のアラートに対応してきました。

さらに、2019年5月にDependabotを買収、GitHubへの統合以降、20万9,000件を超えるPull Requestが、自動化されたアップデートにマージされました。これで、2017年4月にアプリケーションの提供が開始されてから、合計して100万件を超えるPull Requestがマージされたことになります。

その他の情報

上記のポイントだけでも、GitHubコミュニティがどれほど拡大しているかが明らかですが、数えたわけではないものの、何百万というストーリーがデータから示されています。その中から、私たちのお気に入りをいくつかご紹介しましょう。

  • GitHubのリポジトリコントリビュータの間では、PythonがJavaを抜いて、2番目に多く使われている言語となりました。
  • リポジトリコントリビュータの間で利用が急成長している言語として、DartとRustがトップになりました。
  • 過去3年間で、Jupyter Notebookの利用数(Jupyterを主要言語としているリポジトリ数)が、対前年比100%を超える増加を見せています。
  • 依存先に対するコントリビュータの数を見てみると、TensorFlowのコントリビュータが、2,238人から25,166人というグローバルコミュニティへと拡大しています。

このデータに興味のある方は、ぜひGitHub Universeにご参加ください。GitHubのデータエンジニアリング担当バイスプレジデントであるRachel Potvinと、RedMonkのプリンシパルアナリスト兼共同創業者であるStephen O’Grady氏が、打ち解けた雰囲気の中で、今年のレポートの内容について深く掘り下げていく予定です。ライブストリームは11月13日午後2時10分(太平洋時間、日本時間午前7時10分)から開始しますので、ぜひ githubuniverse.com にアクセスしてください。