テクノロジーの歴史は、多くの意味でプラットフォームとそのエコシステムの歴史と言えるでしょう。WindowsやmacOSによるパーソナル・コンピューティングの黎明期から、モバイルやクラウド革命に至るまで、最もインパクトのあるテクノロジー製品が単独で存在することはほとんどありませんでした。それどころか、補完的なツール、アプリケーション、サービスのシステム全体が構築される基盤として機能してきました。プラットフォームそのものよりも、こうしたエコシステムが、テクノロジーが私たちの日常生活にどのような影響を与えるかを決めることがよくあります。
5月にGitHub Copilot Extensionsを限定公開ベータとして提供開始したことは、GitHub Copilotをより大きなエコシステムをサポートするプラットフォームへと進化させる第一歩となりました。GitHub Copilot Extensionsにより、開発者はお気に入りの開発ツールをGitHub Copilotエクスペリエンスに直接統合できるようになります。つまり、AI がコードを提案するだけでなく、外部のデータベース、テストフレームワーク、デプロイメントツールなどと対話できるようになったのです。
本日、GitHub Copilot Extensionsの公開ベータ版がすべてのGitHub Copilotユーザーに提供され、あらゆる開発者や組織がGitHub Copilotの拡張機能を作成できるようになりました。同時に、包括的なGitHub Copilot Extensions Toolkitを導入し、開発者が質の高い拡張機能を構築するために必要な情報を一元化して提供できるようにします。この発表は、単に利用可能な範囲が広がるということではなく、AI支援開発ツールのオープンな性質と民主化に関わります。ワークフローを効率化したい個人開発者であれ、独自ツールの統合を目指す組織であれ、GitHub Copilot Extensionsはそれを実現し、GitHub Marketplaceで作品を共有するためのプラットフォームを提供します。
組織向けのカスタマイズと統合
組織や個人にとって、GitHub Copilot Extensions はカスタマイズと統合のかつてない機会を提供します。すべてのGitHub Copilotユーザーは、社内独自のツール、フレームワーク、ベストプラクティスをカプセル化したプライベートなGitHub Copilot Extensionsを構築できるようになりました。GitHub Copilotが一般的なコーディングパターンを理解するだけでなく、企業固有のワークフロー、コーディング標準、内部APIを理解する世界を想像してみてください。
このレベルのカスタマイズにより、生産性が大幅に向上します。開発者は、ツール間のコンテキスト・スイッチ、ドキュメントの検索、企業固有の規約を覚えることに費やす時間を減らすことができます。その代わりに、GitHub Copilotがコードと組織全体のコンテキストの両方を理解する知識豊富なガイドとして機能するため、開発者は中核となるビジネス上の問題を解決することに集中できます。
たとえば、Octopus社のチームはGitHub Copilot Extensionを開発し、GitHub Copilot Chat内からシステムやプロセスに関する専門知識を開発者にオンデマンドで提供しました。
当社のGitHub Copilot Extensionを使用すると、DevOpsチームの新しいメンバーのオンボーディングが非常に簡単になります。「”Frontend WebApp”プロジェクトの最新リリースを”本番”環境にデプロイする」というような指示書と、その指示の実行の間に抽象化はありません。日々のタスクの大半を実行するために、新しいUIやプラットフォームを学ぶ必要はもうありません。
Octopus社 プリンシパル・ソリューション・エンジニア、マシュー・カスパーソン氏
イノベーションのための新しいプラットフォーム
サードパーティの開発ツールプロバイダにとって、GitHub Copilot Extensionsは新たな大きなチャンスです。77,000を超える組織、180万を超える有料サブスクライバ、50万を超える学生、教師、オープンソースメンテナがGitHub Copilotを使用しているため、拡張機能を作成することは、膨大な数の熱心な利用者に直接ツールを提供する方法です。
しかし、これは単なるマーケットプレイスで配布するだけの話ではありません。GitHub Copilotと深く統合することで、拡張機能は根本的に優れたユーザーエクスペリエンスを提供できます。ツールを使用するために開発者がコーディング環境から離れる必要がある代わりに、拡張機能を使用すると、エディタ内で自然言語クエリを使用してシームレスな対話が可能になります。
開発者や運用チームは、ソースコードがシステムパフォーマンスに与える影響をリアルタイムで追うために、ツールやナレッジのサイロをナビゲートしなければならないことが多く、その結果、改善が遅れ、イノベーションが遅れることになります。GitHub Copilot 向けの New Relic 拡張機能は、GitHub.com の GitHub Copilot Chatや IDE から私たちの 16 年以上にわたる専門知識に直接アクセスできるようにすることで、観測可能性のベストプラクティスに関するチームの調整を支援します。
New Relic社 製品担当 GVP、オレン・ベン＝シャウル氏
アトラシアンでは、GitHub Copilot Extensions は開発者がコードを書く際のコンテキストの切り替えを減らす大きな後押しになると考えています。GitHub Copilot 向けの新しい Rovo を搭載したアトラシアン拡張機能を使えば、開発者は Jira や Confluence にあるすべての要件、テスト計画、課題、ドキュメントを GitHub.com の GitHub Copilot Chatや IDE で直接調べることができ、時間を節約、フラストレーションを減らせます。
Atlassian社 プロダクト、アジャイル、DevOps 部門責任者、ジョシュ・デヴェニー氏
開発者がこの新しい AI 主導のパラダイムに合わせてツールを再構築することで、イノベーションの波が押し寄せることを期待しています。コードの変更に基づいてテストを生成できるテストフレームワークの改善から、会話型のインターフェイスで問題を説明し修正できるデプロイツールまで、可能性は無限です。
GitHub Copilot Extensions Toolkitの紹介
GitHub Copilot Extensions Toolkitは、開発者や組織が質の高い拡張機能を構築するのに役立つ情報を提供します。
手順を追ったチュートリアルや、ドキュメント、CLI ツール、サンプル、SDK などの追加リソースを用意しています。これらのリソースの使用については、GitHub Copilot Extension forGitHub Models を開発し、GitHub Copilot のツールにコンテキストを導入して作業することがいかに簡単であるかを紹介しました。
今後について
開発者や組織が革新的で強力な拡張機能を作成するために必要なツールやサポートを提供するだけでなく、GitHub Copilotに依存しているすべてのツールやサービスのGitHub Copilotとの統合を見つけるために必要なツールやサポートを提供します。
今後、拡張機能がどのように使用されるかを確認し、フィードバックを収集し、プラットフォームを継続的に改善していきます。AI支援開発の未来は、よりスマートな提案だけではありません。AIを開発者や組織固有のニーズに合わせて調整できる、柔軟で拡張可能な環境を構築することです。
GitHub Copilot Extensionsを使用して開発ワークフローを強化したり、GitHub Copilot Extensionsを構築してイノベーションを世界に発信するなど、この旅にぜひご参加ください。
真にカスタマイズ可能な、AI支援型開発の時代が始まります。
The post Enhancing the GitHub Copilot ecosystem with Copilot Extensions, now in public beta appeared first onThe GitHub Blog.