GitHub Copilot Chat ベータ版がすべての組織で利用可能に

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今年初めにGitHub Copilot Xを発表した際、GitHub上の開発者エクスペリエンス全体にわたり、生成AIとGPT-4のパワーをもたらすことを目的とした、テクニカルプレビューを数多くご紹介しました。本日、GitHub Copilot Xをあらゆる組織に提供するための第一歩として、Visual StudioとVS CodeのすべてのGitHub Copilot for Businessのユーザーを対象するGitHub Copilot Chatの限定パブリックベータ版をリリースしました。

この新たな進歩により、GitHub Copilotはコンテキストを理解した会話アシスタントとしてIDE内で機能するようになり、その結果として開発者は最も複雑なタスクの一部を簡単なプロンプトで実行できるようになります。職歴の長短に関わらず、チームのすべての開発者がアプリケーション全体の開発や膨大なコードのデバッグに数日を費やす必要がなくなり、わずか数分で完了できるようになります。また、単体テストや、終わりの見えない定型コードのバックログに、数週間または数か月かけてコツコツと取り組む必要も無くなります。GitHub Copilot Xの最重要機能であるGitHub Copilot Chatによって、自然言語がコーディングエクスペリエンスを強化する新時代へと通じる扉が大きく開き、ソフトウェア開発の門戸を広げ、開発者チーム全体の満足度と生産性が高まると確信しています。

こうしたことにより、すべての開発者と組織にとって、より良い未来の実現へと進んでいます。では、本日の発表内容について詳しく見ていきましょう。開発者がベストなものを作ることができるように、組織が活用できる主な機能をご紹介します。

コンテキストがもつパワー🔍

GitHub Copilot Chatは、ただのチャットウィンドウではありません。開発者が入力したコードや表示されているエラーメッセージを、コンテキストに沿って認識できます。このコンテキストが重要なのです。汎用的な生成AIのチャットアシスタントとは異なり、GitHub Copilot Chatは開発者向けに設計されており、IDEに完全に適合します。つまり、汎用的な機能を活用し、コンテキストに沿って開発者の環境を認識できるようにしています。

これらはすべて、開発者をワークフロー内に留めておくための設計です。しかし、この20年間で言語、クラウドコンピューティング、プログラミングフレームワーク、CI/CDワークフロー、オープンソースソフトウェア、パッケージマネージャー、サービスなどが爆発的に増加する中、開発者をワークフロー内に留めておくことは、非常に難しくなっています。

今日の開発者は、これまで以上に多くのものを作ることができます。しかし、APIへの接続方法や新規データベースの使用方法を調べたり、同僚が何を達成しようとしていたのかを理解するために、ドキュメントや検索結果を探し回る時間日々増加しています。

これについては調査でも証明されています。Stack Overflowが実施した2023年開発者調査によると、開発者の63%が「答えやソリューションを探すのに少なくとも1日30分、多いときは2時間を費やしている」と回答しています。つまり、開発者は顧客のために創造性を発揮したり、新しいソリューションを革新したりするための時間を削がれているのです。

私たちは、開発者が最も重要な「次に開発するもの」に時間を費やせるよう支援したいと考えています。この取り組みは、GitHub CopilotがIDE内でコード提案を提供することから始まりました。そして現在では、GitHub Copilot Chatを使用して、開発者はコード提案を取得するだけでなく、質問をしたり、説明を受けたり、コードのプロンプトを提供したりすることができます。つまり、開発者はIDE内で、そしてワークフローの中でより多くの時間を過ごすようになっています。

初めてのAIペアプログラマーのレベルアップ🚀

世界初の大規模AIペアプログラマーであるGitHub Copilotは、すでに2万を超える組織や開発者チームを支援しており、利用者の作業時間を半分に短縮しています。また、分析会社Keystone.AIとハーバードビジネススクールのMarco Iansiti教授の調査によると、GitHub Copilotのような生成AIツールがもたらす大幅な生産性の向上と促進によって、2030年までに世界のGDP(国内総生産)を1.5兆米ドル増加させる可能性があることがわかりました。
これは生成AIのパワーによって開発者が経験する経済的なメリットと生産性向上の出発点に過ぎないと、私たちは確信しています。

現在、GitHub Copilot Xの全機能を一般提供(GA)する準備を進めています。一般提供が開始されれば、すべての開発者の生産性を10倍向上させることができると信じています。つまり、10日間かかる作業を1日で終わらせたり、10時間かかる作業を1時間で終わらせたり、10分かかる作業をプロンプトコマンド1つで終わらせたりできるのです。これにより、開発者は真の自己表現が可能になります。また、新世代の開発者が思考と同じスピードで学び、開発することを支援します。