この記事は、GitHubの活動、オープンソースコミュニティの動向、さらにGitHubのデータサイエンスチームによる洞察によって作成された2018年のOctoverse(オクトバース)レポートに基づいたシリーズの一部です。
1日の何時か、1週間のどの曜日かなど、開発者がGitHubを使う時間帯には特徴があります。Octoverseレポートでは、世界中のGitHubの活動動向の概要も調べています。異なるタイムゾーンであっても、多くの開発者に共通することは、最も重要な人やプロジェクトのために時間を割いているということです。
GitHubを利用している時間、反対に利用していない時間を調べることで、興味深い結果がわかりました。開発者はオープンソースプロジェクトのために多くの時間を割くと同時に、きちんと休息を取ることも忘れていません。開発者がいつGitHubを利用しているかを調べるため、時間、週、および年単位で集計されたオープンソース、パブリック、プライベートレポジトリから、それらの貢献度を分析しました。
GitHubを使わない時間帯
日常的なルーチンについて言うと、世界中の開発者に共通する傾向があります。GitHub上の作業の多くが朝から増加する傾向があり、それぞれの現地時間で11:00頃に最初のピークに達していることがわかりました。その後、GitHub利用は減少しますが、15:00頃に1日のうちで2回目の活動スパイクが発生します。
この2つのスパイクの間に何が起こっているのでしょうか?開発プロジェクトがどのようなものであれ、「ランチブレイク」を取っていることが明らかと言えます。メキシコとアルゼンチンの開発者のランチタイムは米国と比較して遅めという傾向が見られます。一方、中国ではランチタイムに仕事をすることが多いようで、その時間帯におけるリポジトリの変更が顕著に現れました。
リポジトリタイプ別のGitHub利用時間
15:00頃の2回目のスパイク以降は、パブリックリポジトリやオープンソースリポジトリへのコントリビューションが増加します。特に、日本やシンガポールでは寝る直前までオープンソースへのコントリビューションが行われていることがわかりました。
週末になると、開発者は個人的なプロジェクトに時間を費やし、充電とともにリラックスタイムを楽しんでいるようです。土曜日と日曜日は、世界中でGitHub利用が最も静かになる曜日です。そのため平日よりも活動は少なくなりますが、驚いたことにパブリックリポジトリやオープンソースリポジトリでの活動は安定して行われています。
これと比較して、プライベートレポジトリでの活動は、週の中盤に最も大きくなります。パブリックリポジトリやオープンソースリポジトリへのコントリビューションも同じ傾向にあり、最も多くのコントリビューションが発生するのは火曜日と木曜日です。
地域別の祝日におけるGitHub利用
この時期、世界中で主要な休日があり、それに合わせてGitHub利用も影響を受けます。GitHubの利用にも季節性があるのです。
世界のどこ住んでいるかに関わらず、1年のうち何度かは、祝日を家族といっしょに祝ったり、仕事を休むなど、休暇を取ることでしょう。
休暇を取る季節だけでなく、学校が休みになる季節も地域ごとに異なり、そのタイミングに合わせてGitHubの利用も変化します。
その中でも、特にGitHub利用が少なくなるタイミングは以下のとおりです。
- 1月1日:グレゴリオ暦を使用している国では、年末年始は毎年GitHubで最も静かな日です。
- 1月と2月:旧正月がいつになるかによって、アジア(特に中国)の活動は1月から2月にかけて減少します。
- 5月1日:約80カ国が勤労感謝を祝う5月の第1週に、活動全体の変化が見られます。
- 10月と11月:インドのディワリと中国のGWの間で、アジア地域におけるGitHub活動が減少します。また、米国では感謝祭の時期に活動が減少します。
たまには休憩を
過去1年にわたり、GitHubでどのようなコラボレーションがあったのかを見るのことは大変興味深いことです。それと同時に、開発者がきちんと休みを取っていることに安心しています。世界にはさまざまな働き方、さまざまなな祝日がありますが、確実に言えることは、誰もが休みを取るべきです。
今後も、Octoverse(オクトバース)レポートからわかる興味深いデータを本ブログで紹介します。日本語での簡易レポートはこちらから御覧ください。また、2018年度上位プログラミング言語のデータについてはこちらのブログをご覧ください。